新規プロジェクトCMコンペ

1/21_Eスクール講義録
講師:伊納達也(ビデオグラファー)
「新規プロジェクトCMコンペ」

「いい企画は、悪く伝えようが無い。企画が良い事が一番大事」

以前から取り組んでいる新規プロジェクトのシステム部分の構成が先週一段落した。今回の授業では、開発途中のアプリCMを今後制作するにあたり、映像で打ち出すとしたらどのような内容にするのかを、受講生全員が各々で構成を考えプレゼンを行った。
優秀賞(伊納賞受賞)には、伊納先生より一脚と三脚、NDフィルターのプレゼントともあって全員が本気だ。


アプリ概要:学生が自分の「夢」を持ち、その目標を達成するための過程を「お金」「時間」「熱意」の三本に分けて自己を管理しサポートしてくれるアプリ。(2017年1月現在)


プレゼンが始まり、それぞれが自分のイメージしたCMの雰囲気を披露していた。プレゼンの方法もPowerPointを主に使った説明的なものから、紙芝居などの画期的なもの、さらに音楽をバックで流しながらプレゼンを行い、雰囲気でイメージを発表するものもあった。
その中で今回、伊納賞(優秀賞)を受賞した作品は口頭での発表だった。内容として「夢がある人生」「夢が無い人生」を比較していくもので、映像のビジュアルイメージよりかは、最終的に消費者が考えさせられる事をメインにしたものになっていた。
プレゼンと言えば、プレゼン用のソフトを使いクライアントに画のイメージを共有するためのツールだが、一方でビジュアルに傾きがちで根本的な訴求ポイントが曖昧になってしまう傾向がある。

「大切なのは、スジが通っていること。論理的であること」

口頭の発表でも、スクリーンでの発表でも大切なのは「スジが通っている」ということであり、クライアントに対して広告を打つという事で、なぜその構成がベストなのかを説明することが最も大事な事であると言う。
「自分の納得できる物を持って行く。納得できていなくても自信を捨ててはいけない。」
クライアントに対して自虐的にプレゼンするという事は、その発表自体が無益なことだと思われてしまうため、どんな内容でも自信を持つ事が大事になってくると話す。


【Buzzの作り方】

※参考:Advertimes(アドタイ)#10 バズの難題 – 結局なぜ人はシェアするのか? –

<バズる:《「バズ」の動詞化》俗に、ウェブ上で、ある特定の事柄について話題にする。特に、SNSを通じて多人数がうわさをしたり、意見や感想を述べ合ったりして、一挙に話題が広まることを指す。→バズマーケティング>
※参考:コトバンク

このBuzzに関して伊納さんが興味深いデータを「Advertimes(アドタイ)」のWEBサイトより紹介してくれたので軽く説明しよう。
①文脈の壁とは:限られた人(○○オタク)にしか分からないような専門的な部分や感性を、全体に広める事は出来ない→だからそれを解決するための工夫が必要。
②共振欲とは:そのコンテンツに触れて誰かに紹介したくなるような、体験者の気持ちを揺さぶるようなテーマなどが含んでいる事。
③伝達形式:以上の要素を詰め込んだ物を、どのように発信していくかという事。

他にも数種類の壁と欲と形式が存在するが、これらの障害を乗り越えれば乗り越える程世の中で言う「buzz」が引き起こされるという見解で、Advertimes(アドタイ)上ではこの壁と欲と形式を「4-4-3のバズフォーメーション」と述べている。

今回の授業では、プレゼンで評価してもらう事以外にも、講義を受けないと知らなかったような情報なども仕入れる事が出来た。

1月14日【新規プロジェクト会議】

1/14_Eスクール講義録

講師:梶塚千春(CGクリエイター)水野五郎(映像ディレクター)

「新規プロジェクト会議」

年初めのEスクールは、今年度の目玉にもなる「新規プロジェクト」に関する会議を行った。
各自、受講生が考えてきた企画書をメインに話が展開されたので、その内容から抜粋したものをまとめた。

【新規プロジェクトの大枠】
これまでのEスクールでは、映像を中心とした講座を開講してきた。
それは、昨年の夏頃に制作した「得々あちこち噺 ふるさと納税の美味しい話」に代表されるように、映像制作がメインのEスクールであった。しかし、今度のプロジェクトは有力企業2社にご協力いただき、『スマートフォンのアプリケーション企画開発』と、その『商材アプリのメディアプロモーション』をEスクールが担当させてもらえる形となった。実績で経験を積むシステムが創設から2年目でようやく完成した。

【アプリの内容】
Eスクールが実際に携わる「アプリケーション企画開発」と「商材アプリのメディアプロモーション」とは一体どういう事なのか?
まず、今回企画開発するアプリの背景として「夢(目標)に向かう若者を後押しするツールでありたい」という考えがある。その若者が夢を達成するためには、お金と時間と熱意の3種類の軸が大きな存在であるとEスクールは考えている。
現段階では、この3つの要素を織り込んだシステムの企画書をEスクール受講生から提出してもらい、今回のEスクール授業での会議を経て最も仕上がりの良い企画書を押し進めていく予定だ。
「プロモーション」では、EスクールとしてアプリのCM制作が実践的な映像制作(CM)のワークフローを経験するのに重要な機会だと位置づける。また、今回のCM制作の前にプレビズで映像を作り出しプリプロの段階でBlenderでの映像制作を予定している。

【ドローン:MavicPro】
2017年に入り、Eスクールは最新のドローンを仕入れた。
メーカー:DJI
製品名:Mavic Pro

今回はお披露目ということで、授業と授業の合間にフライトを行った。
このMavicProのカメラ部分にはジンバルが取り付けられており、どんな環境でも安定したカメラワークを実現してくれる。
ただ、一つ欠点として機体が軽すぎるために屋外では風の影響をもろに受けるという。なので、屋外でのホバリングでの定点撮影は無風の時でないと有効ではないという事が分かった。
今後、Eスクールは2017年度はドローンに着手した講座も開講していく。

11月12日【ドキュメンタリービデオグラファー】

講師:岸田浩和(ビデオグラファー)

一部 撮るということ

二部 初めの一歩は「好きな映像を見ながら真似る」

 

ドキュメンタリー系ビデオグラファー

これまでEスクールは、新たな環境を構築するビデオグラファーの様子を追ってきた。

今回、講義された岸田浩和さんは、様々なジャンルがある映像業界でドキュメンタリーに特化した映像を制作するビデオグラファーである。

 

岸田流 「職業、ビデオグラファー」とは?

何度か講義で来られているビデオグラファーの伊納さんは、広告系のビデオグラファーだとEスクールで定義している。しかし、今回来て頂いた岸田さんは、どちらかというと「記者」「ライター」のような仕事スタイルが伺えた。下記の作品例で紹介する。


sunflowermovement

台湾 SunflowerMovement                    −ジャーナリズムイノベーションアワード2015(JCEJ)決勝プレゼン入選作−

例えば、上記リンクが貼られている「台湾 SunflowerMovement」という作品は、2014年台湾で起きた「ひまわり学生運動」を捉えたドキュメンタリー作品である。この映像自体、政治的な意味合いが大きく含まれていたので日本国内ではあまり大きくメディアに取り上げられることは無かった。しかし、実際の現場で何が行われているのかを突き詰めようとした岸田さんは8時間悩んだ末、台湾に乗り込み、この映像を撮ってきたという。


岸田さんを動かしている原動力がある。

それは、「興味のあるところへ出かけていって映像を撮る」ということ。つまり、「映像を撮りたいではなく、撮りたいものがそこにあるから撮りにいく」というスタイルだと話す。

先程のような海外作品をいくつか撮られている岸田さんは、最近アフリカのナイジェリアへ撮影に向かった。海外に撮影となると「外国語が喋れない」「知らない土地」などの不安があり、簡単に行こうと決心のつくものではないはずだ。しかし、岸田さんのようにドキュメンタリー系の映像作家にとって単純な不安要素というのは、「逃げ」でしかないと話す。この根本にあるのは先述した通り「撮りたいものがそこにあるから撮りにいく」ということが原動力だということに繋がる。


海外での活躍

先月の10月23日_アメリカ_ニューヨークで行われた「NYC FOOD FILM FESTIVAL 2016」にて、岸田さんは「最優秀短編賞」と「観客賞」を受賞した。タイトルは”SAKURADA Zen Chef”

この2つの賞が意味する事はとても重要な事だ。まず、「最優秀短編賞」とは、短編映像部門で審査員が最も高く評価したという意味がある。そして「観客賞」というのは、映像を視聴した観客の票が最も多く集まったという意味がある。つまりは、その会場にいた人々が岸田さんの作品を最も高く評価したのだ。

この作品は、今も動画サイトやインターネットには掲載されておらず完全未公開の映像作品となっており、一般で視聴可能になるのは、まだ未定とのこと。

その作品を一足先にEスクールで視聴する事が出来た。

これは、2015年に閉店したミシュラン2つ星を持つ京都の高級料亭最後の100日間を追った作品で、特に最期を迎える瞬間の画が岸田さんのこだわりとして深く心に突き刺さるようなものがあった。その映像には、エフェクトやテロップなどの無駄ものは一切無く、ただ流れるような画繋ぎと、人の表情と心を捉えているようなアングルだけで構成されており、日本人が感じる「和の深み」というもの醸し出していた。


初めの一歩は「好きな映像を見ながら真似る」

このような規模の大きい映画祭で、最優秀短編賞を受賞するまでに多くの歳月が掛かると一般的には考える。しかし、岸田さんの場合はカメラを持ち始めたのが2011年、今年で6年目の映像作家だ。

これを聞いて誰もが驚くそうだが、岸田さん自身が有名な映像作家として独立したのには、二つのポイントがあると考える。一つは、撮りたいものがあるから撮りにいくという「目的のあるバイタリティ」。もう一つは、初めの一歩を「好きな映像を見ながら真似る」というスタイルにしたことだ。

作品自体を諸々真似るのではなく、「こういうアングルいいな」であったり、「こういう演出があったのか」など多岐に渡る。良い見本を色々と吸収して、自分の型に合わせるということが基本であると解釈した。それが、バイタリティに繋がり、技術的にも向上するという良いサイクルが生まれるのだと考える。

今回のビデオグラファー講座は、作品の作り方から、作品を撮るという事は何かということを考えさせられるような講義であった。